蓄光印刷

蓄光印刷に使われる「N夜光」その光り方や安全性について解説

N夜光とは?

N夜光とは、近年開発された蓄光顔料(蓄光インク)です。
弊社で行っているほとんどの蓄光印刷にこのN夜光が使用されており、「光を吸収する(励起)波長が長い」「耐水・耐光性有り」「高輝度・長時間発光」といった特徴をもちます。光を当てることで発光するブラックライトとは異なり、「自ら発光を行う」のが最大の特徴です。

蓄光印刷は蓄光剤が入った透明なインク(蓄光インキ)で印刷を行う特殊印刷で、ポストカード・ウォールステッカーなどユニークでおしゃれさやデザイン性を重視したものから、非常口・避難誘導看板・安全標識など地震・津波・停電など災害時の暗闇で活躍するものまで様々な商材に印刷可能です。電源を必要とせず発光するため、安全・防災の分野で多く利用されています。

安全性について

1900年代に使用されていた蓄光顔料には、光を当てなくても自ら発光する自発光物質が使用されており、夜光時計などに広く活用されていました。しかし、これには放射線物質が含まれており、製造者の健康被害が続出したことから現在は世界で使用禁止となっています。こういった背景があり「夜光塗料=放射性物質」というイメージが付きがちですが、これは誤りです。

N夜光には、放射性物質は全く含まれていない物質が使用されていますので、人体や環境に悪影響はありません。また、手や肌に付着しても問題ない安全な顔料です(故意に肌に付着させたり体内に取り込んで良い、というわけではありません)。

発光の仕組み

明所で光を蓄え励起状態となり、蓄えた光を暗闇で発散することで発光が行われる仕組みです。光は太陽光・LED・蛍光灯など日常生活のあらゆる光から吸収される為、光源さえあれば電源不要で場所を選ばず設置可能なメリットがあります。発光の色や強さにも種類があり、顔料によってお客様がご希望される輝度に調整可能です。

発光色

暗闇で光る、というとグリーンのイメージが強いかもしれませんが、弊社が行う蓄光印刷で使用するN夜光の発色は「レッド」「ブルー」「グリーン」の3色から選択可能です。
また、蓄光顔料は同じ色でも下地の色により発色の強さが異なって見える特性をもちます。下地のデザインが薄い色、もしくは白だと発色は視認しやすくなります。逆に彩度の高い濃い色だと視認性が落ちるので、デザインデータ製作時には注意が必要です。
発光の強さは、明所から暗所への切り替えの早さでも変化します。室内の照明スイッチなど急に切り替えると、はっきり輝いて見えます。屋外のように徐々に夕日が沈んで暗くなっていくと、あまり光って見えない場合もあります。

輝度について

「通常タイプ」「高輝度タイプ」の2種類から選択可能です。N夜光以外にも様々なメーカーが蓄光顔料を販売しており、品質や構成する成分もそれぞれ異なるので同じグリーンの発光でも発光のバリエーションは一様ではありません。また、視認することはできませんが、明るい場所でも発光自体は行われています。

励起とは?

励起は元々「物質にエネルギーを与えて、エネルギーの低い状態から高い状態へ遷移させること」という意味を持ちます。よって、N夜光にとっての励起は「光を吸収し蓄えること」を指します。

 

印刷物の特徴

場所を選ばず設置可能

光源のある場所であればどこにでも設置できるため、気軽に設置することが出来ます。自宅で衝突・転倒して怪我の恐れがある箇所に蓄光テープを貼り付けて、怪我防止対策を行う使い方もあります。

電源不要

電源が不要な為、コンセントなどが存在しない場所でも発光可能な環境に優しいエコな印刷物となります。公園や海岸沿いなど屋外の夜間イベントが行われる場所での注意喚起、停電・地震などの災害時の避難誘導目印などにも使用されています。

維持費・メンテナンス不要

一度設置してしまえば印刷物自身で励起→発光を繰り返すので、メンテナンスやランニングコストが不要な点もメリットの一つです。

半永久的に発光可能

暗所で一定時間発光し、時間経過と共に少しずつ暗くなっていきますが、再度光を蓄積させれば何度でも発光させることが可能です。インク被膜を厚くすることによって、発光時間を長くすることも可能です。

製作事例

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まとめ

  • 電源不要で発光がどこにでも可能
  • ランニングコスト・メンテナンスが不要
  • 避難誘導として、火災や停電などの緊急時に活躍
  • 急激に明度を下げた際に、最も明るく発光する
  • 蓄光インクは放射性物質を含んでおらず、安全性が確認されている

といった特徴があります。災害などの緊急時においてその真価を発揮する、「美しさ」と「利便性」を併せ持つ印刷技術です。発光時間、蓄光カラーなど蓄光印刷に関するご不明点は、以下からお問い合わせください。

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